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2025/05/01 01:13

京都西陣織会館資料室に展示していた4種類の西陣織の帯です。

 ①

正倉院文様袋帯   昭和51年 米田織物作

 奈良時代、東大寺の一角に建てられた正倉院に伝わる工芸品の文様を総称して

正倉院文様と呼びます。

なかでも良くみられるのは、この帯にデザインされている大輪の花に見立てた唐花の文様です。


白地色紙散らしに切箔文様丸帯   大正~昭和前期

 色紙は和歌や俳句、絵を描くものとして平安時代に発祥したもので、

室町時代以降に盛んに用いられるようになりました。

色紙を散らした文様は、日本独特の文様として広く愛用されてきました。

色紙に草花と金、銀の箔が施されて一段と華やかさが加わった雅な帯です。


菊文様袋帯   昭和50年 山口安次郎作

 菊は長寿延命の象徴とされる代表的な植物です。菊の文様は、

染織文様としては最も多く使用される題材の一つで、

デザインも多種多様です。99日の重陽の節句の主役ともいえる菊と共の、

意匠化された萩や薄の秋の草花が配されている帯で、やさしい色使いに気品さが感じられます。

フォーマルにも日常にも使える袋帯です。


縞に矢絣文様着尺   昭和43年 時岡機業店作

 着尺はきものを仕立てる前の反物です。江戸時代からよく見られる矢絣の文様は、

いつの時代も女性に人気の柄です。西陣の絣織では良く使われる代表的な文様です。


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