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2025/03/04 23:17

細川家の黒留袖
派手すぎないワンポイントの柄が高貴で上品さが感じられます。
アンティークの黒留袖は現代の物のように派手さが少ないので、
パーティーや式典以外の普段でも着れそうなものが多い気がします。


~以下、この着物の説明です~
「黒縮緬地石橋模様留袖」
 黒縮緬地に友禅染と刺繍で流水に牡丹と扇獅子を表した黒留袖。胴裏のみ赤平絹を配する共裏仕立て。
 模様は、表地では背面右裾から右前身頃にかけて「流水に牡丹」を表し、背面左裾から左前身頃を経て衽にかけ、
「扇獅子」を表す。裏地では、左右両後身頃から前身頃を経て衽にかけて「流水に牡丹」を表す。「扇獅子」は、扇の地紙で
獅子頭を暗示し、牡丹で獅子の胴、波打つ糸筋で獅子の尾を暗示して、全体として唐獅子の姿を表現している。
江戸時代の武家の女性の小袖・単衣・打掛・帯にみられる定型表現で能の「石橋」の内容を象徴的に表したいわゆる「文芸意匠」の
一つである。
 使用されている加飾のための技法は、表地・裏地の「流水に牡丹」「扇獅子」ともに友禅染を基本とするが、表地では「流水に牡丹」にさらに牡丹の葉の輪郭の一部に撚金糸(二本引きそろえ)の刺繍を施す。「扇獅子」には平縫・纏い縫・撚金糸一本の刺しを施し、
牡丹の葉には金泥を配する。
 五つ紋所には、白抜きの九曜紋を配している。


ひふみ屋

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